MTE 4 いまどきの子育て、何が問題?何がどう変わったの?−子育て家庭の最前線から−
大豆生田 啓友(関東学院大学助教授 臨床発達心理士 専門:乳幼児教育学・保育学)

 少子化の進行は止まらず、子どもおよび子育ての問題は深刻化する一方です。そのため、国や各自治体では必死に子育て支援政策を進めています。しかしながら、子育て支援の実態は、その本質とズレがあるようにも思われます。いまどきの子育ての本質的な問題は、一体どこにあるのでしょうか?

そこで本講演では、3人の子育て真っ最中の演者が、自身の体験や同じ小さな子どもを持つ親たちとの様々なネットワークでのかかわりを通してのエピソードや、最近の子育てを取り巻く実態を明らかにした種々なデータを通して、現代の子育て家庭が置かれた状況についてお話します。さらに、これから求められる子育て支援の方向性についても触れていきたいと考えています。

全体構成は以下の通りです。

1 わが家の子育ての一場面から(「こんなはずじゃなかった」と子育てに悩む親たち)
2 子育ての孤立化(サザエさんの子育てと現代の子育ての違い)
3 親世代が育った時代背景と環境(山口百恵世代から、松田聖子、浜崎あゆみ世代へ)
4 市場原理、効率、競争、便利さが求められる社会の子育て
5 子育て困難状況が生み出す子どもの健全な育ちの危機
6 親子の立場にたった支援の必要性
7 支え合いの子育て支援(「一人の子どもを育てるのに村中みんなの力が必要」)

【年次集会事務局からのヒトコト】

 おおまめうだ ひろとも と読みます。ご自身で3人のお子さんを育てた保育士のキャリアがあり、現在は関東学院大学助教授として未来の保育士を目指す学生達を指導しています。社会的活動は、NPO法人親子の広場びーのびーの理事。横浜市公立保育所民間移管にかかる選考委員会委員長、等。著書には『支え合い、育ち合いの子育て支援』(単著、関東学院大学出版会、2006年)ほか多数。