MTE 2 形は機能を買える−小児外表奇形の形成術− 
鳥飼 勝行(横浜市立大学市民総合医療センター形成外科)

 形態異常は時として、機能障害以上に患者・家族を苦しめる。

特に小児外表奇形についてそのようなことが言える。生まれつきの機能障害は、後天的機能障害と違い、その不自由を自覚されないことも多く、あっても本人が我慢することで対処できる。しかし変形に対する社会の偏見や差別は容赦なく、その対応は容易ではない。

 小児形成外科は、先天的形態異常に対し、機能だけでなく形を重視した治療外科として発展してきた。本講演では、小児外表奇形に対する最近の治療の進歩を、その代表的疾患を中心に述べる。また従来、MRを伴った外表奇形や多発奇形の治療は消極的になる傾向があったが、現在はむしろ、そのような患児にこそ、最新で最良な治療を行うことの重要性とその効用を認識するに至った経緯についても述べる。

【年次集会事務局からのヒトコト】

 「他科に聞きたいシリーズ」の形成外科です。形成外科領域の発展が子どもを支えるためにどれだけ貢献しているのか、どうぞ、このMTEでご確認下さい。